1 98年12月4日国際自然保護連合の発表に関する新聞記事。

毎日新聞社 東京夕刊[1998.12.05]

産業経済新聞社 東京夕刊[1998.12.05]
毎日新聞社 大阪朝刊[1998.12.07]

ペンギン9種、絶滅の恐れ 全17種のうち半数超える
毎日新聞社 東京夕刊[1998.12.05]

◇エルニーニョ現象、エサの魚が減る…
 【ワシントン4日瀬川至朗】世界のペンギン全17種のうち絶滅の恐れのある種が9種と半数を超えたと、国際自然保護連合(IUCN)などの専門家が4日発表した。石油流出や生態系破壊、過剰漁業などの人間活動と、エルニーニョなどの異常気象により、多くのペンギン種がもはや生息数を維持できなくなったと警告している。
 ペンギンは南半球に分布し、海洋の「健康状態」を忠実に反映するといわれている。野生生物の危機状況をまとめるIUCNの「レッドリスト」の改訂のため専門家の会議が米マサチューセッツ州のイングランド水族館で開かれ、世界の自然保護団体が調査した報告をもとに、ペンギン17種の生息状況を分類した。
 発表によると、絶滅の危機に直面している「絶滅危ぐ種」は南米ガラパゴス島に生息するガラパゴスペンギンなどの2種。ガラパゴスペンギンの個体数は3600〜6000頭と推定され、エルニーニョで海流が暖流化し、捕食する魚が消えたことが大打撃を与えたと分析している。
 また、絶滅の危険が増大している「危急種」はペルーのフンボルトペンギンや南アフリカのケープペンギンなどの7種。従来は絶滅の恐れがあると指摘されたペンギン種は5種だけで、4種が増えたことになる。
 専門家グループは「ペンギンの危機的状況は病んだ地球の指標だ」と警鐘を鳴らしている。唯一の救いは南極大陸のペンギンの個体数に目立った減少がなく、安定していることだが、漁業や観光旅行の悪影響が懸念されると指摘している。


ンギン9種絶滅の危機 エルニーニョなどで

産業経済新聞社 東京夕刊[1998.12.05]

 【ワシントン4日=共同】米ニューイングランド水族館(ボストン)と国際自然保護連合(IUCN)は四日、エルニーニョによる海水温の上昇やタンカーからの原油流出などでペンギンの種類の多くが絶滅の危機にある、と発表した。
 IUCNのペンギン専門家らが同日まとめた報告書によると、世界に生息するペンギンは十七種。このうち、ガラパゴス諸島のガラパゴスペンギンやチリのフンボルトペンギンなど九種が絶滅の危機にあると判定された。従来は絶滅危機のペンギンは五種とされていた。
 数が最も少ないのはガラパゴスペンギンの三千六百−六千羽。エルニーニョで海水温が上昇し、エサにしていた魚が付近からいなくなったため一九七〇年代以降、生息数が半減した。
 生息数五千百−六千二百羽とみられるニュージーランドのキガシラペンギンは、繁殖場所の森が減少したのが原因。
 また、南アフリカに生息するペンギンなど多くの種類が、原油流出の被害を受けていた。


ペンギン全17種中9種が絶滅の恐れ 人間の活動と異常気象で
毎日新聞社 大阪朝刊[1998.12.07]

 世界のペンギン全17種のうち絶滅の恐れのある種が9種と半数を超えたと、国際自然保護連合(IUCN)などの専門家が4日発表した。石油流出や生態系破壊、過剰漁業などの人間活動と、エルニーニョなどの異常気象により、多くのペンギン種がもはや生息数を維持できなくなったと警告している。
 ペンギンは南半球に分布し、海洋の「健康状態」を忠実に反映するといわれている。野生生物の危機状況をまとめるIUCNの「レッドリスト」改訂のため専門家の会議が米マサチューセッツ州のイングランド水族館で開かれ、世界の自然保護団体が調査した報告をもとに、ペンギン17種の生息状況を分類した。
 発表によると、絶滅の危機に直面している「絶滅危ぐ種」は南米ガラパゴス島に生息するガラパゴスペンギンなどの2種。ガラパゴスペンギンの個体数は3600〜6000頭と推定され、エルニーニョで海流が暖流化し、捕食する魚が消えたことが大打撃を与えたと分析している。
 また、絶滅の危険が増大している「危急種」はペルーのフンボルトペンギンや南アフリカのケープペンギンなどの7種。従来は絶滅の恐れがあるとされたペンギン種は5種だけで、4種増えた。救いは南極大陸のペンギンの個体数に目立った減少がないことだが、この地域でも、漁業や観光旅行の悪影響が懸念されている。