某月某日某曜日 はれ

日は朝早く銀座に行って、天使君とかくれんぼをして来ました。天下の銀座も、 さすがに朝はちょっと寝ぼけていて、ず〜っとこのビルの角に立っている天使君も、 役目を忘れて僕と遊んでくれるんですよ。少し位動いたって、町行く人にばれませんからね。
 


その3「銀座」
2000.04.27up
今までの旅日記
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 何故でしょう、別に買い物をする訳じゃなくても、銀座って、つい足を向けてしまう所なんです。豪勢な買い物をして、美味しいものを食べて、東京でもトップクラスの高いコーヒーを飲んで過ごせば、そりゃ楽しいでしょうよ。でもね、銀座通りをプラプラして、きれいなショーウィンドや、行き交う人達の姿を眺めるだけでも嬉しくなります。
  東京の町は、段々個性が消えて行くみたいです。何処にでもあるチェーン店や、見たことのあるブランドの看板が軒を連ね始めると、それまで町が持っていた自分の顔 が、どれも同じになっていくんです。「この町の人達が欲しいって言うから、こうなっ たんだよ」って言われたら返す言葉もありませんけど、僕はちょっと寂しく感じてしまいます。銀座もご多分に漏れず、皆さん御存知のお店ばかりになりました。でも、 同じ店なのにどこか堂々として、誇らしげな顔をしているみたいなんです。「私達がこの町を作っているんだ」って胸を張っているのかなぁ。
  それに、ちょっと道を曲がると、昔の銀座がひょっこり現れるんですよ。家の前に植木鉢を並べて、洗濯物がたなびくお宅。粋な芸者さんがやってきそうな足袋屋さん、何十年も通ってる常連が店内を埋める食堂や飲み屋さん。時代が変わってもマイペースを守る人達が、ちゃんといるんだよね。そんな顔も見たくて、僕は銀座を歩くんで す。
  おっと、天使君に見つかっちゃった。人も多くなってきたから、また来ますよ。さ て、これから何処へ旅にでようかな・・・