某月某日某曜日 はれ

日は道端の朝顔君を励まそうと、九段下にやって来ました。みなさん、せっかく入谷の朝顔市で買った朝顔、ちゃんとお水をあげていますか? 時には肥料もあげてますか? 枯れかかっているのを見つけたら、何処かでお水を調達しなくちゃいけません。歩きながら、いつもそう思っているんですよ。
 


その12
『九段下の巻』
2000.09.06up
今までの旅日記
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  でもね、お水をやって肥料をやって、それでおしまいだと思ったら大間違いなんですからね。先ずは声を掛けなくちゃダメ。「どう、近頃、元気してる?」「すこ〜し 葉っぱが黄ばんでるけどさ、具合が悪いのかな?」なんてお喋りしながら見てあげましょうよ。ホントはね、ちょっと時間があったら、葉っぱを柔らかい布で拭いてあげられると良いんだけど。植木君は「おや、気が利いてるね。ありがとう!」とは喋ってくれないけど、必ず期待に応えてくれます。
  毎日世話を焼いてあげれば、朝顔君なんか、まだまだまだまだ一杯花を咲かせてくれるもの。その点ここは大丈夫。隣にネコ君がいて、いっつもお喋りしてるから。いやいや、町の噂を一日中聞かされて、「もう少し静かにしてくれないかな」って思ってるかも知れませんね。
  昔はね、この近くに「ペンギン文庫」っていうプレートが付いた古い建物があったんです。前を通る度に気になって仕方がなかったんですが、お話を聞く前に建物ごと無くなってしまいました。そうですよぉ、あのおぞましきバブルの時代、ここはみんなに目を付けられた場所ですからね。でも今も頑張って建っている古いビルが、ちょこちょこっとあるんです。家だってビルだって、「頑張ってね!」って励ませば、優 しく使ってあげれば、立派に活躍してくれるに違いありません。さて、朝顔君も元気そうだし、これから何処へ旅に出ようかな・・・