某月某日某曜日 はれ

日はちょっと頭が良くなりたいなぁと思って、湯島にやって来ました。天神様は梅干しの種の中身・・・じゃなくて言わずと知れた学問の神様。特にこの湯島天神は霊験あらたかなもんで、東京中、いや日本中から「頭を良くしたい」ってお願いにくる人々で、いつも大賑わいですよ。
 


その23
『湯島』
2001.03.24up
今までの旅日記
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  でも僕みたいに「もう、無理である」と菅原道真さんに告げられそうな場合は、無理して絵馬に願いは託さず、咲き誇る梅の花を眺めるのが無難かなぁ。そんなに広くはない境内に上手いこと作られた道を歩いていると、梅が鼻先をかすめるように枝を伸ばしています。白だと思っても、よく見ると色んな白。ピンクだと思っても色んなピンク。遠くから眺めるとポップコーンみたいに見える花も、近くで見るとみんな違う。じろじろ観察するうち香りが身体を包んでくれるんです。
  本殿の周りには、梅の花よりドッサリありそうな絵馬の数々。自分の実力をわきまえた控えめなお願いから、天神様も頭を抱えるような無茶なお願いまで、まさに鈴なりにぶら下がっています。あんまり沢山ぶら下げ過ぎて、時々おっこっちゃってるのもあるんです。そんな時、誰も拾ってくれないのね。ここで拾ってかけ直しておけば、「う〜ん、こいつは心優しき者である。御利益の粉をちょびっと多めに振りかけてしんぜよう」ってなことになるかもよ。
  この坂を下りていくと、古き良き湯島の町並みが少しだけ現れます。格子戸のある木造の家や小さなお稲荷さんが、僕も知らない昔の湯島を教えてくれます。そして見上げると、ポップコーンに囲まれた天神様が・・・どうも食い意地の張った僕には、何でもかんでも食べ物に見えちゃうらしいや。それじゃ、境内の甘酒でお腹を納得させて、さて、これから何処へ旅に出ようかなぁ・・・