第7回
「SANCCOBその2」

 予想外にショボい(あっ、SANCCOBの皆さん、ごめんなさい)建物だったが、間違い無くここがSANCCOB。運転手さんは、親切にも事務所まで一緒に来てくれる。私の、あまりの英語力の無さを心配してくれているのだろうか?実は、帰りのピックアップの時間を確認するためだったんだけど。

これから注射されまーす
 事務所らしき所へ入り、中にいた女性に声をかける。しかし、話は伝わっていなかった。もう、当日の仕事はないらしい。決して冷たい言い方ではなかったけど、やはりショック。うーん、私の英語力の無さが原因か? 「明日の分なら、仕事を用意できるけど、どうする?」 カリーンさんという責任者らしい女性が言ってくれる。タクシー代、痛いなぁ……と思いつつも、翌日の9時に来ることにする。ここまで来たからには、あきらめきれないっ!。


わらわらわら…と近づいてくる
ペンギンたち



ねー、あんた、だれー?


SANCCOBのプール

 

  せっかくだから、ペンギンを見るだけでもできないか、とお願いしたら、あっさりOK。かなり、フランクな人達だ。ここのペンギン達は人間慣れしている。プールから上がったペンギンが、わらわらわらと近寄ってくる。もちろん檻のなかだけど。ああ、檻に入りたい。彼らにも、日本人がわかるのだろうか?顔つきの違いが。いや、「あんた、だれー?」といった顔で1羽のペンギンに見つめられたものだから。思いこみなのはわかっているけど、嬉しいものだ。

 片隅で注射されているペンギン達がいる。マラリアの治療らしい。注射は脚にするんだ。初めて見る光景。あー、注射は無理でも、ペンギンを抱っこしたい。
 何枚か写真を撮らせてもらい、翌日の確認をもう一度するために、事務所に行く。奥の部屋でパソコンを操作していた女性が私に気づく。 「あー、あなたが電話してきた日本人ね」 どうやら、彼女が電話を取ってくれた人のようだ。一応、私の希望は伝わっていたが、到着時間の確認が甘かったようだ。

 ボルダーズに帰り、またまたビーチのペンギンに遊んでもらう。保護官のお兄ちゃんに 「やっぱり、遅かっただろー」 と、からかわれる。優しい人達だ。


 その後、お茶を飲みながら絵葉書をまとめて書く。カフェのお兄ちゃんに、尋ねてみる。 「なぜ、ここで働いてるの?ペンギンが好きだから?」 「いや、ペンギンだけじゃなく、自然が好きだから」 あっ、何となくかっこいいお答え。
 きっと、ここで書いた葉書には、翌日のボランティアが楽しみで、わくわくした気持ちが詰まっていたんじゃないかなー。
 

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