某月某日某曜日 くもり

日は知り合いの様子を見に、高円寺まで行ってきました。ごみ箱オジサンは僕よりずっと年上なのに一生懸命働いているから、ぼんやり過ごしている身にとっては、会うのがちょっと気が引けるんですよね。でも心配だなぁって思うこともあるから、時には顔を出すことにしています。  
 


その8「高円寺
2000.07.09up
今までの旅日記
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 オジサン達が一番活躍したのは昭和30年代。その頃は、人間の子供に読ませたくない本を捨てて下さいっていう、悪書追放ポストだったんです。それがいつの間にか普通のごみ箱になって、駅前や公園に立つようになりました。でも段々邪魔になっちゃったらしいんです。子供は悪戯するし、若者は落書きする。お掃除も大変だから、どんどんリストラされてしまいました。でもって気が付いたら高円寺のオジサンが、東京でも数少ない、もしかするとただ1人の現役になりました。
 オジサンの足下には、高円寺銀座商店街って書いてありますねぇ。今、その名前は高円寺純情商店街に変わってしまいましたよ。でもきっと、ここはペンギン好きな人 が多いに違いありません。だって歩いていたら、ペンギンという名前の色んなお店を 発見しましたもん。美容院、不動産屋さん、ライブハウス・・・パチンコやさんのシャ ッターには、パチンコ玉を一杯持ってニコニコしているペンギンが描かれていました。 嬉しいなぁ、ここに住みたくなっちゃいますねぇ。
 でもね、このごみ箱オジサンも、そろそろ定年退職なんですって。確かに身体はボロボロだし、扉は壊れています。毎日溢れる程のゴミを口に入れて大変ですもんね。 けど引退したら、暢気な第2の人生を送って欲しいです。たまには僕と一緒にブラブ ラ散歩でもしましょうよ。さてと、オジサンにも会えたことだし、これから何処へ旅にでようかな・・・