某月某日某曜日 はれ

日は気分だけでも涼しくなろうと、暗闇坂にやってきました。何だか追い剥ぎか物の怪が登場しそうな名前ですよね。モモンガが出ると歌われた所、確かにその響きに「異界の入り口」みたいな香りが漂います。
 

その51
『暗闇坂』
2003.08.09up
今までの旅日記
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  恐ろしげな坂も、昼間来ればただの急坂。日射しが強い日だったら、恐いどころか 汗ばんでしまいますよ。それに第一、ここは麻布十番ですからねぇ。恐いもへったく れもありません。港区にあって、屈指の渋い商店街を作ってきた町も、大江戸線の開通で、あっという間に家族連れからカップルで大賑わい。そこに輪をかけた六本木ヒルズ。モモンガも目を丸くする人通りになりました。
  ヒルズというくらいですから、この辺りは坂道だらけです。もう谷間といっても良いくらいの傾斜地。それも半端じゃない急斜面があちこちに出没します。いきなり片側が切り通しになっていたり、ミニ崖が行く手を阻んだりと、足腰を鍛えるにはもってこいの町。でもお年寄りには厳しい、アンチバリアフリーな麻布十番ですよ。
  だけど近くにには永坂、大黒坂、飯倉片町、狸穴に絶江坂と、江戸から続く地名がドッサリ。坂ひとつにもちゃんと名前を付けるっていう気持ちが嬉しいじゃないですか。町の様子がどんどん変わっても、取り敢えず坂の名前までは変更しませんからね。 せめて固有名詞だけでも昔を偲ぼうってな感じです。
  そんな坂を登っていくと、家並みは急にゴージャスになります。立派なお宅やら超高層高級マンションやら、外人さんも沢山あるいていて、どうも所在ない気分ですねぇ 。でも細い路地を曲がると、見るも懐かしい家々が立っていて、やっぱりモモンガの仕業かなぁを思ったりしてしまいます。坂道続きでちょっと足が痛くなってきたけど、さて、これから何処へ旅に出ようかな・・・