某月某日某曜日 はれ

日は町のお祭りを見ようと、下谷神社にやってきました。お祭りは、見ているだけでもニコニコしてきますね。いつもは静かな日曜日が、この時ばかりは陽気で騒々しくて浮き立っていますよ。どこからともなくお囃子の音や、掛け声が聞こえてくると、もうじっとしてはいられません。
 


その27
『下谷神社』

2001.05.18up

今までの旅日記
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  有名な大きなお祭りは、そこら中から見物人と御神輿担ぎ人がやって来て、押すな 押すなの大混雑。うっかりすると、踏みつぶされそうな勢いです。一方こじんまりした町のお祭りは、ちょっと余所者が入り込むには失礼になりそうな位のアットホーム度。その点ここのは由緒正しい立派なお祭りだけど、地元のイベントって雰囲気も満喫出来て、眺めていても気持ちが良いんですよ。
  昔は稲荷町なんて格好良い名前で呼ばれて、落語家さんも沢山住んでいました。今は味気ない町の名前になっちゃったけど、緑青の生えた看板建築や、古い木造の家がまだまだ残っています。そんな家々の軒先にお祭りの提灯がぶら下がっているのは、良いもんですよぉ。細い路地に屋台が並び、こんなに沢山いたのかって驚く程、町内 の子供達が繰り出しています。神酒所には御輿担ぎを卒業した人達が、昼間っから赤い顔をして嬉しそう。隣に置かれた山車の古そうな太鼓には、南稲荷町という文字が刻まれています。
  昔はお祭りって、自分が町の一員だってことを改めて教えてくれる大切な催しだったんでしょうね。そんな気風はどんどん薄らいでいきますが、中にはここみたいに、「お祭りの意義」をしっかり教えてくれることもあるんですよ。せっかくですから将来の貴重な御輿の担ぎ手達に、現代の町ッ子の暮らしでも聞いておきますか。神社にお参りして屋台でも冷やかして、さて、これから何処へ旅に出ようかなぁ・・・