某月某日某曜日 はれ

日は休日のぼんやり気分を味わおうと、滝野川にやってきました。JR埼京線の、というより旧赤羽線のといった方が相応しく感じる板橋駅の近く、北区滝野川は、穏やかな昭和の町なんです。ことさら「レトロ感」を意識しないところがまた惹かれます。
 

その48
『滝野川その2』
2003.05.05up
今までの旅日記
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  昔からの住人が多い町には、日曜日と祝日の区別がちゃんとしています。祝日に日の丸の旗を出すこと。これですね、やっぱり。旗日というくらいですから、旗立てちゃいます。良い悪いじゃなくて、殆ど習慣化しているのだと思います。
  旗を立てていた名残を見ることもありますね。家の正面のどこかに、旗竿が刺さる金具が取り付けられているんです。これがまた、良い角度で道路に向かっているじゃありませんか。「旗立て金具」なんてのが、今でも売っているのかも知れません。 「我が家の玄関脇には、表札と郵便受けと旗立て金具だ!」という時代が、確かにあったのです。
  会社ならいざ知らず、一般家庭で祝日に旗を立てている光景を、まぁ見なくなりました。だいたい日の丸を見ませんからねぇ。こうしてたまに見かけると、「あれ、今日って何の日だっけ?」と悩んでしまいます。祝日が勝手に移動してしまうシステム になってからは、余計に悩みます。
  滝野川は、いきなり下町チック。住民のための一通りが地元で済む、立派な町です。迷路のような路地を見上げると、満艦飾の洗濯物。すれ違うたびに挨拶しあう人々。渋い居酒屋に挟まれ、急に古めかしくも堂々とした木造の建物が現れます。だからつい「よかった、この家は今年もまだ大丈夫」などと確認しながら歩いてしまうんです。休日の日の丸も見たことだし、さて、これから何処へ旅に出ようかな・・・