第二回 「ペンギンの宿 その1」

 ケープ滞在の拠点となった宿"ボルダーズビーチゲストハウス"は、その名の通りビーチンに面して建っている。1階には土産物屋兼観光案内。2階に併設されているカフェは、Penguin Point Cafe 。店員さんのユニフォームはもちろん、ジャッカスペンギンのイラスト入り。チェックインカウンターで健気にもパンフレットを押さえていたのは、ペンギンのペーパーウエイト。その横にはSANCCOBの募金箱。

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 ボルダーズへは、ケープ半島を走る鉄道の最南端駅であるサイモンズタウンから徒歩で20分と、「地球の歩き方」(やはり今回も頼ってしまった……この本に)書いてあったが、実際はもっともっと離れていそう。知らない土地、にぎやかでない道だったので、遠く感じたのかも知れないが、正直言って歩きたくない道だった。近所には他のゲストハウスもレストランもカフェも無い〜。
 おまけにゲストハウスから半島の最南端、ケープポイントへは約10キロメートル。自転車でも頑張れない距離ではないが、やはり車が欲しいところ。と、いうより南アフリカを自由に旅行しようと思えばレンタカーは当たり前。次は絶対国際免許証を持っていこう。そうそう、道は日本より運転しやすそうでした。
 そんな事情で、今回ケープポイントへ行かなかった私は「何で行かない?もったいないことを」とあちこちで言われまくったのでした。いいんだよ、別に。私は。ペンギンに会うのが一番の目的なんだから。と言いつつも、やはりケープポイントの自然も捨てがたいものだ。
 部屋に入る。ここはリゾート地になんだな。ダブルベッドにかかっているシーツは肌触りがとーっても良くて真っ白。バスルームも広くてバスタブも大きい。ソープディッシュとシャンプーボトルはペンギンのイラスト入り。一瞬、バッグに入れちゃおうかなーと思っちゃた(あっ、やってませんってば)。でも、これらは1階の土産物屋で売ってました。
 遅目のランチをカフェでとる。小柄で童顔で一人旅でペンギン好きの日本人の女って、目立つのだろうか……お勘定書にボルダーズのステッカーを挟んでくれていた。で、ロビーで一休みしていたらペンギンのランプシェードが、お手洗いの壁にはペンギン模様のステンシルが。まさに、ペンギンの宿なのでした。

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