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<Foxy Beach。向こうに見えるのは、オリの中の人間>

第5回「ボードウォーク」

  保護区内では、入り口から最大のビーチ(このビーチには入れません)まで、木製の遊歩道が続いている。フェンスの金網の向こうには木が生い茂りペンギンが営巣している。地面の所々に開いている穴が巣。たまに土しぶきが勢いよくあがっている。1メートルくらいの高さで土が舞う。これは、ペンギンが巣を作るために穴掘りをしているところ。木立ちの部分あり、草むらあり、ペンギンはそれぞれ人間のことなど気にしないかのように振舞っている。

 そんな遊歩道をテクテクと歩き、遊歩道の突き当たりへ。ちょっと広めの踊り場になっている。目の前には広いビーチが広がる。ここが、Foxy Beach。ビーチにぎっしりのペンギン達は歩く者あり、寝そべる者あり、海に向かう者あれば海から帰って来る者もあり。人間達が入れない分、ペンギン達はのびのびと過ごしている様子。それにしても、きれいな砂浜。人間が出すゴミが何一つ落ちていない。当然、保護区内は禁煙。遊歩道も木製だしペンギンが営巣しているのは木の茂みの中。万一、火でもついたら大変だからだろう。

 このビーチを眺める踊り場は二箇所ある。大きい方と小さい方。小さい方へは、木立ちの中、遊歩道を歩いていく。あまり人気がないのか、それとも知られていないのか、小さい方の踊り場へ行く人は少ない。暗くなるとあまり歩きたいとは思わない。が、小さい踊り場から、ビーチと大きい踊り場を眺めてみると、 「何かこれって、人間がおりに入っているじゃん。サントリーのCMだよ」  そうそう、小さい踊り場にはペンギンについてレクチャーした看板があります。みなさん、忘れずに行かれることをお勧めします。

 これまた本当はいけないことと思いつつ、フェンスの隙間からつま先を出してみる。と、かなり強力なクチバシ攻撃が。底が厚めのスニーカーを履いていたのに、クチバシの先が当たっている部分がわかるくらい。ごめんね。意地悪するつもりじゃなかったんだけど、ちょっと相手して欲しかったの。

 このボードウォークには、投げ捨てられたゴミも吸殻も落書も、ひとつも見当たらない。といって、お掃除のおばちゃんの姿を見たわけでもない。きっと、地元観光客のマナーの良さと、ペンギンを愛する気持ちなのだろう。なんだか、無責任な日本人観光客(もちろん、マナーのいい日本人も多くいらっしゃいますが)には来てほしくないなと思った。

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